PayPalとは曖昧な関係のままでいたいの

2011/02/09 10:00

PayPalがコンプライアンスチームの増員を計画しているそうです。
PayPal Will Almost Double Compliance Team in 2011 FINS, Feb 04 2011

ペイパル・インドの受難

この記事にもありますが、インドでは3月からPayPalの利用が大幅に制限されます。インドのPayPalユーザーは、バランス(残高)での物品やサービスの購入禁止、バランスは入金されて7日以内に銀行口座へ引き出さなければならず、海外取引での1回当りの受取額はUS500ドル以下に制限されます。インド中央銀行RBIの輸出売上げに関する新しい規制を遵守するためです。

昨年の春にも、インドのPayPalで国内銀行口座への引出しなど一部のサービスが停止されたことがありました。その後、殆どのサービスは再開されましたが、個人間送金は今も停止されたままです。これもRBIの規制を受けてのこと。

PayPalは3つ

現在、PayPalは世界規模では北米・EU・その他の3つの組織に分割されています。

本家アメリカのPayPalは金融機関ではなく単なる支払媒体…ってなんじゃそりゃ?な存在です。私は既成事実みたいなモノかな〜と思っています。出来ちゃったし、すくすく育って大きくなったし、別に良いんじゃない?って。現在は一応、Money transmitterとして州毎の認可を受けています。Money transmitterが如何なるモノかは良く分かりませんけど。

そのPayPalもEU圏では金融機関としての認可を受け、電子マネーサービスとして位置付けられています。ここまではまずまず順調。

そして、日本を含むその他。2006年8月から北米・EU以外のPayPalユーザーは全てシンガポール法人の管轄となりました。それ以来、ペイパルからのお知らせには常にこのようなフッターが付くようになりましたし、サイトにも同様の文言があります。

Consumer advisory- PayPal Pte. Ltd., the holder of PayPal’s stored value facility, does not require the approval of the Monetary Authority of Singapore.

消費者への注意 – PayPalのプリペイド設備の保有者であるPayPal Pte. Ltd.は、シンガポール金融管理庁の承認を必要としません。

しません…って宣言してみたところで、やはりインドの例にあるように、PayPalがアメリカ以外の国へサービスを拡大するにあたって、各国の法規制への準拠が求められます。その為にコンプライアンスチームの増強が必要となっているのです。

日本での位置付けは

PayPal’s stored value facilityというのも、これまた何だか良く分からない肩書きですけど…stored value=プリペイドということは、SuicaやEdyとお友達?資金決済法の下では「サーバ型前払式支払手段」と呼ぶのが近いような…でもそれではダメみたいです。

金融庁の資金決済法パンフレット(PDF)によれば、前払式支払手段は原則として払戻しは禁止です。つまりPayPalが日本でサーバ型前払式支払手段として存在するなら、バランスを銀行口座へ引出すなどの現金化が制限される恐れがあります。
また、資金移動業登録を行っていない外国の事業者が日本に向けて資金移動サービスなどの勧誘を行うことも禁止されています。これって、まるでPayPalに向けて言ってるようだわ。
それで資金決済法施行後のPayPalからのお知らせにこれが追加されるようになったんですね。

PayPalサイトの日本語翻訳は、世界各国の日本語を用いるPayPal利用者の 皆様の便宜のために提供されているものです。日本在住者に対して勧誘を行うものではありません

そして最近ではこうなってますね。資金移動業登録はあきらめちゃったのかしら?

PayPalは日本において商取引の売主を代理して収納代行サービスを提供しています。 このサービスの提供は資金決済に関する法律(平成21年法律第58号)の資金移動業者の登録を必要としません。 PayPalは商取引による債権が存在しない、単純な送金を勧誘するものではありません。

じゃあ、今まで通りでイイです

私は10年間PayPalを利用してきました。当初は日本の銀行口座への引出しすら出来ませんでしたが、海外からの送金の受取、eBayその他海外のショップでの支払に、充分便利に使ってきました。

それでは、PayPal日本法人が本格的に日本でサービスを始めたとして、今以上の利便性は期待できるのか?
確かに国内で使える場面が増えれば、それは便利かもしれません。しかし、日本の法規制の下で、インドのようにサービスに何らかの制限が加えられる可能性も否定できません。

ローカル化されて利便性が失われるくらいなら、今まで通り外国の便利なサービスを日本から使わせて頂いてますという状況の方が、主に海外送金の手段としてPayPalを利用して来た既存のユーザーにはまだマシなのかも知れません。

ただ、PayPalにしてみれば、そういうワケにはいかないんでしょうね。日本でどのように事業展開して行くのか、興味深く見守るとともに、ガラペイにならないよう祈ってます。

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