非売品です! Not for sale! なに?売りもんじゃねえ!?
日本のオークションサイトでタイトルに「非売品」と書いてあれば、それはCDやゲームの予約特典とか、販促用のノベルティグッズとか、ついついコンプリしたくなるペットボトルのオマケとか、懸賞に当たらないともらえない品物とか、シールを集めてもらえるグッズとか、市販されていない、お金では買えない、希少価値のある物といったイメージがあります。
ところが、それと同じ感覚でeBayのタイトルや説明文に「NOT FOR SALE」と入れると、誤解を生じる場合があるようですよ。こんな風に…
英語で非売品ってなんて書くの?(Yahoo!知恵袋)
NOT FOR SALEと、書いて eBayで出品したら 売る気がないのか?どっちだと言われました。
これは日本のセラーさんが陥りがちなんじゃないかしら?と思って「NOT FOR SALE」がタイトルに入っているアイテムをeBayで検索してみたところ、大変興味深い結果となりました。
Collectiblesのカテゴリでの”NOT FOR SALE”の検索結果
カテゴリをコレクタブルズに絞ったのは、「非売品」の登場率が高そうなのと、本やCDなどが含まれると実際のタイトルに「NOT FOR SALE」が入っているアイテムも拾ってしまうためです。このカテゴリ内で全部で298アイテムありました。どうでしょう?膨大なアイテム数を誇るeBayコレクタブルズカテゴリにしては少ないと思いませんか?ちなみにヤフオクのアンティーク、コレクションのカテゴリを「非売品」で検索すると3万近いアイテムが出てきます。公平を期すためにeBayのアンティークカテゴリも検索しましたが、こちらはたったの2アイテムです。
ここから、Advanced searchでアイテムのロケーションをLocated in JAPANで絞り込むと
230 results found for “not for sale”
298件中230件が日本からの出品となっています。
これは…ノークレーム ノーリターンと同じく、やったぜ!日本一人勝ちぃみたいな…
英語で「NOT FOR SALE」が使われるのは、お店のディスプレイ用の備品に貼られているラベルだったり、中古車屋に並べてあるけどワケありで一時販売中止中の車とか、しょっちゅう尋ねてくる不動産屋避けの貼紙とか、それから、日本と同様にプロモーション用の見本盤のCDとか…売り物ではありません、売りません、の意味合いが強いように思います。
それでは、オークションのタイトルとして「売りもんじゃねえ!」ではなく日本的「非売品」のニュアンスを正しく伝えたい場合、どのような言葉を使うのが適切なんでしょう?
残念ながら、日本の「非売品」のようなオールマイティにその意味合いを伝える言葉は思い付きません。どんな理由で非売品なのかによって適切な言葉が違います。
販促用に限定で配布されたようなものならPremium。似たような言葉では宣伝用などの意味合いでAdvertising、 店頭のみで使用されたPOP・ポスターなんかもこれに含まれます。当り外れがある懸賞のような性格を持つものならPrizeなど。
日本以外からの出品で「NOT FOR SALE」をタイトルに入れているアイテムもないワケではありません。もちろん、テストリスティングではなく、実際に売る気があるアイテムです。これまた面白い事に、日本のゲーム・アニメなどのノベルティなどで多く見られます。この界隈では既に「NOT FOR SALE」が日本的「非売品」の意味として認知されているのかも知れません。それ以外の場では説明文の中には「NOT FOR SALE」の理由を記載しておかないと「売る気があるの?ないの?どっち?」とツッコミが入るかも。いや、ツッコミが入るならまだ良いです。「なんだ、売り物じゃないのね」と軽くスルーされない為にちゃんと説明しておきましょう。
非売品 お得意様のみに配布された限定版
SPECIAL DEMONSTRATION NOT FOR SALE
デモ盤 非売品
Special LIMITED EDITION Jukebox Only Issue. Not Sold In stores
ジュークボックス用の特別編集。店頭販売はされていません。
Preview item not available to public.
内覧会/展示会用の品で一般販売されていません
あ、そう言えば私うっかりノベルティという言葉を使いましたが、英語のNoveltyは日本で使われているノベルティとはこれまた少々意味合いが異なるようですのでご注意を。どんな風に違うのかは、eBayでNoveltyを検索して感じ取ってみてください。
カタカナ英語・和製英語は、ぱっと見英語のようですが、やはり日本語です。ともすると普通の日本語以上に英訳が難しいのです。