
国際郵便として送れないもの
eBayセラーの皆様は、ご自分の出品アイテムが郵便局の郵送禁止物品になっていて発送に困った経験はないでしょうか?
国際郵便として送れないもの、航空貨物として送れないものは随時追加や変更があります。さらに、相手先国によっても違う場合があります。
郵便利用の場合は、郵便局のサイトで各国共通の条件の他に、国・地域別の情報がありますから、以前に問題なく送れたアイテムだから大丈夫なはずとか、他の国へ送れたから問題ないはずと思わずに、時々確認してみることをお勧めします。
skyperさんのエントリー「航空搭載できない品物が増えてきたの巻」「運送会社を変える、という選択肢。」を読んで、確かに郵便で送れないものって多いなと思いました。その中で
会社を変えると本当に送れたりするのか疑いたくなる部分もあるけれど、確かに打開策として有効かもしれない。
については、実際に有効な場合があります。
2009年にリチウムイオン電池の海外発送が問題になり始めた頃に調べていた事があったので、郵送禁止物品の一例として書いてみたいと思います。
その時に記事を書きかけてアップしなかったのは、JAPAN POST自体も規制の緩和に向けた働き掛けを行っているようだったので、もしかしたらすぐに規制が緩くなるのでは?との期待があったからですが、緩和されることなく1年以上経過しました。
最近の小型電子機器にはリチウム電池は付き物です。デジカメなど、日本からこの手のアイテムの出品は少なくないと思いますが、皆さん、発送手段はどのようにされているのでしょうね?
国際航空貨物
リチウム電池に関する規則が変わって輸送に規制が掛かるようになったのは2009年の1月1日に遡ります。2008年末には航空各社からのお達しが出回っていました。例えば日本貨物航空株式会社(NCA)からのお知らせのPDFファイルがこちら
»»IATA規則改訂に伴うリチウム電池、リチウムイオン電池の取り扱いについて(12月25日訂正版)
IATAは航空運賃や航空運送に関するルールを規定している国際機関です。上記の資料を読んでお分かりの通り、リチウムイオン電池が全てダメという訳ではありません。電池の容量によっては、規定の取扱いラベルの添付など必要条件をクリアすれば航空便での輸送は可能な場合もあります。デジカメ等の小型の機器に含まれるようなリチウム電池であれば、容量の点ではまず問題ありません。
だから、同じ航空便でもFedexなどの国際宅配便を利用する事で、規制を回避できる場合もあるのです。
国内郵便
国内でも航空運送地域においては、国際航空貨物同様、IATAのルールに従う必要があります。
国内の航空輸送でリチウムイオン電池を含む荷物を送る場合、必要条件をクリアすれば、郵便局ではゆうパックでの発送が可能です。
»»リチウムイオン電池又はリチウム金属電池若しくはこれらを組み込んだ電子機器を内容とする郵便物等の取扱いについて
それではなぜ、国際郵便では全てのリチウム電池、リチウム電池路を内蔵する機器が送れないのか?
国際郵便
郵便局のサイトには国際郵便として送れないもののリストが出ています。これらの郵送禁止物品が何に拠って決められているかと言うと国際郵便に於いては、
によって決められています。もちろんIATAの規制に基づく禁制品もこの中に含まれています。それだけであれば他の航空貨物同様にリチウムイオン電池を含む荷物が一律発送禁止になることはなかったのでしょうが、国際郵便ではさらに万国郵便条約による規制が加わります。
リチウム電池全般は万国郵便条約では郵送禁止物品に指定されたため、日本を含む万国郵便連合(UPU)加盟国間では郵便による発送が禁止されたのです。これは航空便に限らず、船便においても禁止です。
例によって、郵便局側のチェックが甘かったり、内容品をわざとボカしたりで発送できる事もあったようですが、たとえ日本からの発送が出来たとしても相手先もUPU加盟国であれば、先方の税関で差押え・没収等の措置が取られる場合もあります。
その場合、eBay取引では泣きを見るのは発送者であるセラーの側と相場は決まってますから、危ない橋は渡らないのが賢明です。
禁制品でなくても、許可がいる品も多いので発送前の下調べは欠かせません。
今日はプラスチック製品はスペイン語で事前に許可を得ないといけない国から質問がきて断らざるを得ませんでした。
moraraeruさん、情報ありがとうございます。
国によって色々な規制がありますね。
バイヤーも海外から買うなら自分の国の事情くらいは知っておいて欲しいなと…
こんにはわ。伺いたいのですが、アメリカから、ロレアルパリのヘアカラーを友人に郵送をお願いしたいと思うのですが、禁止物品にあたりますでしょうか? 教えて下さい。
himerikamajorikaさん、こんにちは。
成分にもよりますけど、揮発性や可燃性のもので無い限りは液体でもUSPSで発送はできるはずです。
ただ、化粧品関連のアイテムは、どちらかと言えば、日本の税関で薬事法上の問題が発生する場合があります。
日本で許可されていない成分が含まれている場合など、輸入が差し止められることがあります。また、同一品目は24個までの制限がありますので、一度に24個以上の発送は出来ません。
詳しくはお友達にUSPSで確認してもらうか、日本の税関へお尋ねください。
今、この件で困っていていろいろ調べているところです。
以下の部分の典拠を教えていただけませんか。
>>リチウム電池全般は万国郵便条約では郵送禁止物品に指定されたため、日本を含む万国郵便連合(UPU)加盟国間では郵便による発送が禁止されたのです。
これまで私がたどり着いたところでは、航空法にしろ運輸省告示にしろ、結局はIATA-DGR(IATA危険物規則)に依拠しているようです。これは、「万国郵便条約」についても同様です。
で、この「IATA-DGR」ではリチウム電池輸送を一律禁止していません。
実際、Kindleなんかは問題なく合州国から届きます。
私は、この問題は関係者が(煩雑な手間を嫌って?)過剰に自主規制しているところにあるのではないかと考えていますが、いかがでしょうか。
rumpelstiltさん、jこんにちは。
UPUによるリチウム電池の発送の規制は、2008年のUPUの総会で決定されたものと記憶しています。この当時に参照したサイトのURLが変更になっており、現在は見つけるのが難しいです。出典を提示できず申し訳ありません。
404 Error
http://www.upu.int/en/media-centre/news/union-postale-emag/underway-news/category/postal-security/article/52/en/media-centre/news/union-postale-emag/category/postal-security.html
記事内に追記で記載しておりますが、この取決めの修正に関し加盟国による投票が行われ規制の緩和は決定済みです。
通常このような取決めは4年に1度の総会で行われますが、リチウム電池の規制に関しては2012年の総会前の2011年10月に実施の予定です。
Postal security Tuesday 25 January 2011
http://www.upu.int/en/media-centre/news/union-postale-emag/underway-news/category/postal-security/article/1/yes-to-lithium-batteries.html
この投票には日本の働き掛けが大きかったときいております。
アメリカは、使用する機器に組み込まれた状態、または機器と同梱された状態であれば、国際郵便での輸送もOKとなっているようです。また、規制が始まった当初に知らずに日本から発送されたリチウム電池内蔵の荷物がフランスから戻って来たという話もありました。国によって規制の解釈が異なる部分がありますから、現時点で郵便物の差し戻し・廃棄等を避けるには厳しい方に合わせざるを得ないのではないでしょうか。